第一回 水槽で、手軽に楽しめる錦鯉飼育
(2002年11月27日発行記事)
お初にお目にかかる方が多いことと存じます。某所にて、「水槽錦鯉」というホームページを運営している、「水槽錦鯉かにかに」と申します。このたび、ビッダーズ「十鯉十色通信」が発行されるにあたって原稿執筆の依頼をいただき、この場への登場とあいなりました。応援していただければ幸いです。
さて、突然ですが錦鯉という魚に対して、皆さんは、どのようなイメージをお持ちでしょうか? 値段が高そうであるとか、大きく育つ魚なので池がなければ飼うことができないと思っている方が、結構、おられるのではないでしょうか?
ところが、そのようなことはございません。錦鯉は、金魚や熱帯魚と同じで、水槽でも十分に飼うことができる魚です。
私が、このメールマガジンで担当をしていく記事の内容には、二本の柱がございます。まず一本目が「水槽における錦鯉の飼育法」、もう一本が「錦鯉飼育用具の自作法」です。専門的な難しい内容や飼育技術については、他のライターの方や、錦鯉を扱う業者の方の記事にお任せして、私は「お金をかけずに、手軽に錦鯉飼育を楽しみましょう」というスタンスでお話をしていきたいと思います。
本格的に本題に入るのは、次回以降の私の担当記事からとさせていただきますが、その前に、多くの方が抱いている「錦鯉は高そう」であるとか「錦鯉は池でなければ飼えない」といった、錦鯉のイメージはなぜ生じてしまったのでしょうか?
一番大きな原因は、身近に錦鯉を飼っている人がいないということだと思います。
錦鯉自体は、決して珍しい魚ではありません。ちょっとした公園や神社仏閣など、池がある場所では大抵群れで泳いでいる姿を見ることができるものです。公共的な空間で飼われている魚ですから、まさかその鯉が一匹十万円も百万円もするような高い魚だと思っている人はいないでしょう。
けれども、現在の住宅事情から庭に池を持っている人は少なく、実際には公園などの大きな池でしか錦鯉を見かける機会がないために「錦鯉というのは、広い庭に大きな池がある人でなければ飼えない魚なのだろうなぁ」と、そのような錯覚を、人々が抱いてしまったという悲劇が、現実問題としてあると思うのです。
「池を持っている=広い庭がある=お金持ち=錦鯉は高い」という図式です。
また、残念ながら、そういった錦鯉の誤ったイメージを定着させてしまった原因の一端には、錦鯉業者の従来型の営業姿勢もあげられるのかもしれません。
錦鯉飼育の本道として、「品評会で賞をとることを励みとして錦鯉を飼育する」という考え方がありますが、「品評会で優勝をした錦鯉に何百万円という値がついた」などという記事や、受賞者の方の錦鯉飼育に対する熱心な取り組みの様子が、センセーショナルにマスコミに取り上げられてきたりした結果、「錦鯉飼育にはお金がかかるので、広い庭に大きな池があるような人でなければできない」という誤った認識が、世間に広まってしまいました。
しかしながら、バブルの時代や、それより以前の錦鯉飼育ブームの時代から最近まで、多くの錦鯉業者が、「錦鯉は水槽ではなく、池で飼われる魚である」という前提を、当然のこととして営業を行っていたために、錦鯉飼育に対する世間の人々の誤った認識の払拭をしようという錦鯉業界側の対応が遅れて、現在のように近所になかなか錦鯉飼育者がいないという現状を招いてしまったのです。
とはいえ、最近では、そんな状況にも変化のきざしが見えはじめました。
今、この記事を読んでおられる方々にとっては、当たり前すぎる事柄かもしれませんが、インターネットの普及により、近所に錦鯉飼育者がいない人でも、ホームページを見れば、様々な方の錦鯉を飼育している様子を、簡単に知ることができるようになったのです。その結果として、徐々にではありますが、錦鯉の飼育に対して興味を覚えた人々が増えてきており、後述します私のメールアドレスへも、錦鯉の飼い方に対する相談メールが届くようにもなってきました。
それから、もう一つの大きな変化といたしましては、新規の顧客を取り込むことに対する、錦鯉業界側の対応の変化です。今までは、お店での対面販売がお客さまと錦鯉業者の間の主な取引形態であったのですが、ビッダーズのように、インターネット上で錦鯉のオークションをおこなうことができるようになったり、いくつかの錦鯉業者のホームページ上では、錦鯉の通信販売の手続きをとることができるようになるなど、「これから錦鯉の飼育をしてみようかな」という方に対して、錦鯉購入に対する窓口が広くなってきたのです。お店ではなく、インターネット通販で初めて錦鯉を買ったという人が、これからはもっと増えてくるでしょうし、やがては当たり前のことになるのではないでしょうか。
錦鯉飼育について、私は、二つの流れがあると思います。一つは、今までどおりの、本道として品評会で賞をとることを目指す流れ。もう一つは、もっと気軽に錦鯉飼育を楽しもうという流れです。後者について、金魚のことを例に出してお話をするならば、それは金魚すくいの気軽さです。
金魚にも品評会はあります。けれども、金魚飼育者の圧倒的大多数は、品評会とはまったく無関係に、自宅の水槽で気軽に金魚を飼育しているというのが現実です。インターネットにより、簡単に錦鯉を購入することができるようになったわけですから、これからは、金魚飼育のように、特に品評会での受賞を目指すというわけではなく、もっと気軽に錦鯉飼育に挑戦してみようという人たちが増えてくることでしょう。
私は、これからそういった人たちのお手伝いをしていきたいと思っています。
次回は「濾過層の自作法」の予定です。この記事に対するご意見やご感想、ご要望がございましたら、下記まで連絡をいただければ幸いです。
「水槽錦鯉」ホームページ(http://suiso-nishikigoi.hp.infoseek.co.jp)
「水槽錦鯉かにかに」へのメール(suiso_nishikigoi@hotmail.com)
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