[PR]テレビ番組表
今夜の番組チェック


2.設置場所の選択A、平らな床と電源の確保

 水槽の設置場所として、床に適度な強度があったり、給排水に便利な場所であったりすることについて、まず検討をいたしましたが、それ以前に考えなければならないことが、実はありました。あまりにも当たり前すぎる内容であるため、つい説明を省略してしまったのですが、やはりお話をすることにいたします。というのは、このことをおろそかにしてしまうと、せっかくの水槽が、壊れてしまうことにつながる恐れがあるからです。
 とはいえ、難しい内容ではありません。
「水槽は、平らな場所に置きましょう」という、それだけのことです。
 水槽が壊れてしまう、というから、どんなに重大なことかと構えた方は、恐らく、拍子抜けをしたことだと思います。けれども、このあまりにも単純なことがらが、決しておろそかにはできない内容なのです。
 というのは、一般的に、水槽は、ガラスでできています。ガラスというのは、防弾ガラスのような一部の例外を除いて、ひどくもろい物質です。
 水槽に使用されているガラスは、もちろん、普通の板ガラスです。厚さは、数ミリメートルしかありません。割ろうと思えば、すぐに割ることができてしまいます。
 というより、割ろうと思わなくても、割れてしまうことがあるのです。
 その一例が、平らではない、表面がでこぼことした物の上に、水槽を置いた場合です。
 ただ置くだけならば、そっと置けば問題はないかもしれません。問題が生じるのは、水を入れた場合です。
 すべての器具類をセットして水を入れた水槽の重さが、70キログラムにもなることは、前項で述べました。この重さが、すべて床にかかることになるので、水槽を置く場所の床の強度を、まず心配したのですが、その前にこの重さは、まず水槽の底面にかかるのです。
 水槽が平らな場所に置かれているという状態は、水槽の底面が、平らな場所に接しているという状態です。要するに、面と面とで接触しています 。
 簡単な計算式になりますが、60センチ水槽の場合、底面の面積は、概ね、幅60センチメートル×奥行き30センチメートルですので、1,800平方センチメートルです。この面積で、70キログラムの重さを受け止めていることになりますので、平方センチメートルあたりにかかる重さは、70キログラム÷1,800平方センチメートルで、40グラム程度となります。
 それでは、水槽が平らな場所に置かれていない場合はどうでしょうか?
 水槽の底面は、でこぼことした場所に接しているということになりますが、この場合は、面と面との接触ではなく、水槽底面という面のどこか一点に対して、でこぼこの凸という一点が接しているということになります。要するに、点と点の接触です。
 点ですから、上記の計算式にあてはめるまでもなく、水槽の重さは、その一点にかかってしまいます。現実には少し違うのですが、イメージを簡単にするため、あえて表現をいたしますと、さきほどは、平方センチメートルに対して、約40グラムしかかかっていなかった重さが、この場合は、70キログラム丸々かかってしまうということになるのです。
 40グラム程度であれば耐えられた水槽底面のガラスも、一点集中で、70キログラムもの重さをかけられてしまったのでは、それは割れることになるでしょう。具体的な状態としては、重さに耐えきれずに底面ガラスにはひびが入り、そこから漏水が起こります。
 慣れない計算式を使って、やや小難しい説明をいたしましたが、要するに、ガラスをでこぼこな場所に置いて力をかければ、割れるに決まっているでしょう、という、ただそれだけの内容です。
 実際には、水槽の底面は、単純に一枚のガラスだけでできているわけではなく、ガラスと樹脂の二重構造になっている上、どんなにでこぼこでも、一点でしか両者が接触をしていないということもありませんので、70キログラムすべてが、一点集中でどこかにかかることは考えられません。とはいえ、少なくとも、平らな場所に置いた場合以上の重さが、ゆがんだ形で、水槽底面にかかることになるのは間違いありませんので、その重さに耐えることができなければ、底面ガラスにはひびが入ります。ですから、くれぐれも、水槽は、平らな場所に置くようにしてください。
 また、どうしても心配な場合には、緩衝剤として平らな発泡スチロールの板を置いた上に水槽を乗せることで、ある程度のでこぼこであれば対処できます。冬場には、保温の役目も果たしますので、一石二鳥の方法として、よろしかったらお試しください。
 さて、設置場所の選定にあたって、検討しなければならないことは、他にもあります。
 前章で、60センチ水槽セットの内容について説明をいたしましたが、このセットに含まれている上部フィルターと蛍光灯は、どちらも電気で動くものです。
 ですから、水槽の設置場所を考えるときは必ず、電源のコンセントが手近にあるか、もしくは延長コードにより、電源を引いてくることができる場所を探してください。
 その際に注意をしなければならないことは、万が一、水槽が漏水をした場合でも、電源には、水がかからないような工夫をすることです。例えば、延長コードにより、コンセントの位置を水槽より高い場所に確保すれば、水が漏れても、コンセントは安全です。
 その際も、コンセントを水槽の上に無雑作に置いておくだけというのではいけません。水換えの際や、何かの拍子に、水槽中にコンセントが落下してしまう可能性がありますので、落ちないように、壁にビスで止めるなどの、何らかの対策を講じてください。
 もし、水中にコンセントが落ちてしまった場合には、感電のため魚が死んでしまうかもしれません。その程度ですむならばまだしも、出火の原因となり、魚ばかりか、ご自身や、ご家族の生命にまで危険が及ぶ恐れがありますので、くれぐれも電気の取り扱いをないがしろにするようなことは避けてください。統計によれば、火災の発生原因の中でも、決して低いとは言えない割合を、水槽器具からの漏電が占めているそうです。
 同じ理由から、棚の下段にテレビやビデオなどの電化製品を設置し、その上段に、水槽を設置するという置き方も避けた方が良いでしょう。テレビの近くに水槽を設置すれば、目線的に苦労することなく、魚を見ることができますので、快適なリビングとなりますが、ひとたび水槽から水が漏れた場合には、どのような悲劇が訪れることになるかは想像に難くありません。
 また、水槽そのものからの漏水はなくとも、濾材が目詰まりをして、上部フィルターから水があふれてしまうという事故があります。水槽内で魚が暴れて、水しぶきが周囲に飛び散ることもありえますし、何かをぶつけて、水槽のガラスが割れてしまうことだって十分にありえます。水換えの際に、蛇口から水槽にホースで水を注いでいることを失念して、うっかり室内を水びたしにしてしまうことだってあるかもしれません。
 考えすぎると何もできなくなってしまいますが、電気と水を同時に扱うわけですから、そのような危険もあるのだということを、頭のどこかには置いておくようにしてください。


当サイトは、内容の書籍出版を前提に作成されています。
筆者の許可なく、その一部、もしくは全部を複製して利用することを禁止します。